ブルース進行の基本とかソロのあれこれ
ブルース進行。
恐らく楽器演奏者の殆どが知っているであろうこの言葉ですね。今日はこのブルース進行について理論的なお話でもしてみようかしら。
さてさて、ブルース進行の基礎と言えばおおまかにこのパターンだと思います。
| Ⅰ7 | Ⅰ7 or IV7 | Ⅰ7 | Ⅰ7 |
| IV7 | IV7 | Ⅰ7 | Ⅰ7 |
| Ⅴ7 | IV7 | Ⅰ7 | Ⅰ7 or Ⅴ7 |
このパターンがよくあるブルース進行であり、ここからの発展系で様々な派生型ブルース進行が作られたわけです。
ちなみに、この進行に沿ってないからと言ってブルースじゃない!なんてことは無く、あくまでも基本的な部分の話。
偉大なブルースの先人達は絶対こんな事気にしないでやってるから、めちゃくちゃな進行も沢山あるのだw
マディ・ウォーターズなんかワンコードで終わり!とかあるからねw
さてこの進行、理論的に解説すると、ド頭からⅠ7というダイアトニックから外れたコードを使っています(ここではメジャースケールのダイアトニックコードとして話を進めます)。
これの由来はよく分かりませんwそういうものなんだ!として覚えるのが賢いかとw
そもそも、私はまず最初に感覚ありきで、それらが何故心地よく聴こえるかを体系的に整えたものが音楽理論だと思っているのです。分析は好きだけど、とらわれるのは嫌いなのです!
というわけでこのいきなりダイアトニックから離れたⅠ7で始まるブルースですが、基本コードは3つ。
Ⅰ7、IV7、Ⅴ7の3つから成り立っています。全部セブンスコードなんですね。
セブンスコードと言うのはダイアトニックコードにおいて5番目のコードで、通常トニックコードに解決するドミナントコード、不安定なコードとして使われるのですが、ブルースでは不安定という感じではなく、独特のフィーリングを醸し出していますね。
これがまたブルースの奥深さを出しているというか、一筋縄では行かないというか、難しいところですね!
そしてブルースと言えばペンタトニック!ペンタトニックと言えばブルース!という具合に切っても切り離せないのがペンタトニックスケール(以下ペンタ)ですね。
メジャーペンタとマイナーペンタの2種類がある訳ですが、基本的にはどちらもブルースに使えます。むしろこれらをミックスして使うのがブルースの醍醐味のひとつだったりします。
なぜメジャーとマイナーが混在して使えるのでしょうか?
ここから少しめんどくさい話になるので物凄く端折った解説ですが、、
ブルースの特性上、メジャーもマイナーも曖昧な感じでなんかオッケー!ってなるのですww
冗談ではなく、ここの曖昧さからメジャーとマイナーが無いパワーコードが生まれたと言う説もありますw
私はこの説なんかバカっぽくて好きですw
コード構成音は
R,3,5,b7
Key=Cの場合
C,E,G,Bb
ですね。メジャーペンタ構成音は
R,2,3,5,6
C,D,E,G,A
マイナーペンタは
R,b3,4,5,b7
C,Eb,F,G,Bb
の五音なわけですが、メジャーペンタはコードに対して6th(A),9th(D)の音が、マイナーペンタは#9th(Eb)が使われていますね。この中で#9thというテンションだけがオルタードテンションになる訳ですが、これがブルースにおいて非常に重要なノートなんですね〜これが入ると一気にブルース感が増すというか、泥臭くなるというか、、
b3rd→3rd→1もしくは5(Eb→E→C or G)というフレージングは
まさにブルース!という感じ。
ちなみにこれ、3rd→b3rdは滅多に使わないです。クリームのクロスロードのイントロでいきなり出てきまますが、直ぐに1に解決しますね。
俺は専門学生時代、講師の方に「3→b3に行くくらいなら死んだ方がマシだぞ」とまで言われましたw
ここで注目ポイントなのが、メジャーペンタとマイナーペンタの構成音を全て足すと
R,2,b3,3,4,5,6,b7
C,D,Eb,E,F,G,A,Bb
となる訳ですが、ドリアンスケール(R,2,b3,4,5,6,b7/C,D,Eb,F,G,A,Bb)に酷似していることから、ドリアンがよく使われます!手軽にメジャーとマイナーをミックスした雰囲気が出せるんですねー(^^)
ポイントは6th(A)の音!
マイナーペンタ一辺倒のブルースにスパイスを足したい方はぜひドリアンを使いましょうw
と、ここまではブルース進行に合わせる形でのソロのスケールですが、セブンスコードに則って大人しくミクソリディアンスケールを弾くことも出来ます。
構成音は
R,2,3,4,5,6,b7
(C,D,E,F,G,A,Bb)
です。1音上のマイナースケール、ここではDマイナーと捉えるのも簡単かもしれませんね。
ドリアンがマイナー系なのに対して、ミクソリディアンはメジャー系な響き。構成音もメジャーペンタに4とb7が足されただけですね。
アメリカンなカントリーブルースとかによく合うイメージ!
ちょっと意味わからないかもしれないけど、なんとなくThe America!!って感じの大陸感が出るスケールw
わかるかな?ww
メジャーペンタにスパイスを足したい時はミクソリディアンがオススメ!
ポイントは3,4,b7,R(E,F,Bb,C)の音!
そしてもう1つ忘れてはいけないのはブルーノートと言われるb5th(Gb)の音、これはテンションではなく、かつて黒人に西洋音階(ドレミファソラシド)を教えたところ、彼ら特有の少しなまった音程で歌い始めたのがルーツと言われています。
(恐らくⅠ7というコードもここに由来するものと思いますが、定かではないです。)
経過音として使うのもよし、ロングトーンで伸ばすのもよしと、万能の音ですw
メジャーペンタ、マイナーペンタ、ドリアンスケール、ミクソリディアン、ブルーノートを使いこなせたら大抵のブルースは弾けることでしょう。
基本的にはⅠ(C)から始まるスケールで、Cメジャーペンタ、Cマイナーペンタ、Cドリアン、Cミクソリディアンを使えば何とかなりますが、構成コードが全てドミナントなので、コードが変わる度に転調していると捉えてソロを弾くこともできますね。
それぞれC7でCのスケール、F7でFのスケール、と言った具合に使用できます。
さらに発展させてくと前回紹介したドミナントセブンスで使える全てのスケール、オルタードやコンディミ、ホールトーンなんかも各コードで使用できますね。
そうなってくるとまさに無限のフロンティアw
アナタだけのブルースが爆誕しますwww
さぁ、イマジネーション全開でブルースフロンティアに飛び込んでくださいww
ちなみに、私の考える最強のブルースはマイナーペンタのみです。
という事で、今回はこの辺で、、